教育関連企業に勤めていた20代後半の2~3年間、心理学の勉強にハマっていた時代がありました。
教育現場で常に飛び交う重要キーワードである「やる気」というものについて、深い理解を得たいと考えたためです。
以下、あくまでも私が学んだ範囲の心理学の知見を前提としたお話となりますこと、ご承知おきいただいた上お読みいただけますと幸いです。
心理学の言葉に置き換えると、私の言う「本質的な楽しさ」は「内発的動機付け」、「表面的な楽しさ」は「外発的動機付け」ということになるかもしれません。
大抵の場合、「内発的動機付け」と言うと、「知的好奇心」や「自身に対する有能感」
などとセットで語られることが多いようですが、私は当時から、そこに何か大事な視点が抜け落ちているように感じていました。
それは何かと言えば、「身体」に対する視点です。
「目標を設定する」「適切なインセンティブを与える」等、「やる気」を引き出す動機付けの方法に関しては心理学や脳科学等の知見を元に研究が進み、一般化しているようですが、
現実の問題として、本当に意欲の高い人は動機付け以前の問題として、まずは何よりも旺盛な「活力」とでも呼ぶべきエネルギーを持っているように思われます。
そしてそのエネルギーが何によるものかを考えるにあたって、「心」のみに限定して考えるのはどうにも不自然で、「身体」に起因する要素を多分に含んでいることはどう考えても明らかなように思われました。
といってこの「活力」の中味が、速く走ったり重い物を持ち上げたりといった、一般的な「体力」と異なることも、体験的にすぐわかりました。
では一体、何なのか・・・?
こうした疑問は、30代に入った頃、「ゆる体操」の基礎理論である「運動科学」の考え方と出会うことで私の中でははっきりと解消することができました。